工芸ライター田中敦子プロデュース企画きものに添える掌の工芸『帯留め』への誘い

2020/03/24 (火)

4月18日(土)より24日(金)まで
金源堂2階展示スペースにて工芸ライター田中敦子プロデュース企画
きものに添える掌の工芸 『帯留め』への誘い を開催いたします。

この度、田中敦子様とご縁をいただき帯留めを中心に、
出展作家の関連作品も同時に展示いたします。
是非、皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げております。
                                 金源堂 拝

きものを着ていて楽しいのは
自分ならではのコーディネートで、
季節や物語を描けることではないでしょうか。
きもの、帯、帯揚げ、帯締め。
この基本四点に帯留めを加えると、
組み合わせの幅がさらに広がります。

きものと工芸をフィールドに執筆、企画、編集を
している私が、ある時ふと思いついたこと。
それは、きものと工芸の橋渡しでした。
きもの好きの人には工芸の魅力を、
工芸好きの人にはきものの楽しさを。
私らしい方法で伝えることができればと、
工芸家が手がける帯留めをプロデュースする
『帯留めプロジェクト』を立ち上げました。

4回目となる帯留めプロジェクトは、
金源堂さんとご一緒させていただきます。
金源堂さんが主として扱われるのはお茶道具で、
お茶席では帯留めを使わないのが常識です。
でも、お茶と工芸品は切っても切れない関係。
工芸への理解が深い人も多い世界です。
そこで、ご提案です。
工芸作家が手がける帯留めを、
お洒落着の日に楽しんではいかがでしょう。

帯留め合わせを楽しめる帯と帯揚げ、
帯留め用の三分紐、
お稽古に嬉しい数寄屋袋などの袋物は
京都の貴久樹さんがご協力くださいました。
どうぞゆっくり見て楽しんでいただければと思います。

                    田中敦子

参加作家

飯野夏実(陶磁)
泉健太郎(漆、卵殻象嵌)
加藤亮太郎(陶磁)
川島いずみ(陶磁)
川地遥(漆)
高橋奈己(陶磁)
菱田賢治(陶磁、漆)
三浦世津子(ガラス)

田中敦子
出版社勤務を経て独立。工芸、きもの、日本文化を中心に、取材、執筆、編集を行う。主な著書に『きもの自分流-リアルクローズ-入門』(小学館)、『もののみごと 江戸の粋を継ぐ職人たちの、確かな手わざと名デザイン。』(講談社)、『更紗 美しいテキスタイルデザインとその染色技法』(誠文堂新光社)など。染織、工芸の企画展プロデュース、アドバイザーなども手がける。

撮影/河内 彩


きものに添える掌の工芸
『帯留め』への誘い

田中敦子の帯留めプロジェクトIV

きもののお洒落の醍醐味は、
自分ならではの感覚で
季節や物語を描けること。
きもの、帯、帯揚げ、帯締め。
この基本四点に帯留めを加えると、
楽しみの幅がぐんと広がります。

きものと工芸をフィールドに
執筆、企画、編集をしている私が、
ある時ふと思いついた
きものと工芸の橋渡し。
きもの好きの人には工芸の魅力を、
工芸好きの人にはきものの楽しさを。
さりげなく伝えることができればと、
工芸家が手がける帯留めを
提案するようになりました。



ウクライナのピサンキが原点。
繊細可憐なモチーフが愛しい

飯野夏実 iino natsumi
1983年 神奈川県出身
2006年 武蔵野美術大学卒業、同大学に教務補助として2年間勤務
2010年 京都伝統工芸大学校卒業後、京都にて独立
2012年より埼玉県富士見市にてCraft Studio Karakusa を主宰。

木工、漆芸、そして卵殻象嵌へ。
技の足跡が静かに花ひらく

泉 健太郎 izumi kentaro
1972年 新潟県生まれ。
2007年 長野県立上松技術専門校木工科卒業
現在、新潟県新潟市にて制作
2014年  第88回国展工芸部奨励賞受賞
2017年 第91回国展工芸部新人賞受賞

桃山茶陶への探究を深めながら
古典を極め、古典を遊ぶ

加藤亮太郎 kato ryotaro
1974年 岐阜県多治見市に生まれる   
    祖父は人間国宝の加藤卓男
1999年 京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻修了
2000年  家業の幸兵衛窯に入る
2002年 倒焰式窯を自ら築窯
2017年  引出用穴窯を築く
現在、幸兵衛窯を主宰すると同時に、個人作家としても活動

椀の曲線、木っ端の造形
細部の美を見逃さない感性

川地 遥 kawachi haruka
1981年 京都府生まれ
2008年 飛騨高山「森林たくみ塾」に入塾
2010年 新宮州三氏に師事
2015年 京都市産業技術研究所漆工コースに入学
2016年 京都府南丹市に工房を構える

中国古陶磁に目を凝らし
その凄みと愛嬌に心遊ばせる

川島いずみ kawashima izumi
1979年 埼玉県生まれ
2002年 文化学院芸術専門学校卒業
2003年 真岡市にて独立
2002年 伝統工芸新作展入選以降、公募展で連続入選
現在、埼玉県大宮市にて制作

白の陰影を支える高い造形力
切り立つラインが胸をすく

高橋奈己 takahashi nami
1973年 東京都生まれ
1997年~1999年 ファエンツァ国立陶芸美術学校在籍
現在、東京都練馬区にて制作
2016年 第63回日本伝統工芸展新人賞受賞    
        第50回記念女流陶芸公募展T氏賞受賞
2017年 第42回日本陶芸展 茨城県陶芸美術館賞

陶と漆を自在に使って
品格ある作品世界を展開

菱田賢治 hishida kenji
1964年 神奈川県生まれ
1989年 東京芸術大学美術学部デザイン科卒業 
1991年 東京芸術大学修士課程(大学院)卒業
1991年~2000年 株式会社電通にてアート・ディレクター  
2001年~2008年 尾道大学 芸術文化学部 准教授
2008年 静岡県伊豆熱川に築窯。工房「陶と漆」を設立

澄んだ光をすくい取り
凛々しくも甘いガラスを生む

三浦世津子 miura setsuko
1960年 愛知県生まれ
1986年よりイギリス、アイスランド、チェコスロバキア、北米にてガラスを学ぶ
1992-2012年 (株)諏訪ガラス工房マネージャーを務めるかたわら、個展、グループ展を行う。
現在、長野県茅野市にてスタジオ『シリウス』主宰。